エジプト・アラブ共和国 Arab Republic of Egypt


 

交  通  関西国際空港〜イスタンブール経由〜カイロ (所要:約18時間) など
気  候  暑 い (ほとんど晴れ)
通 用 語  アラビア語(公用語)・観光地では英語も通用します
通  貨  エジプトポンド、ピアストル (1£E=100PT=約35円)
宗  教  イスラム教が大半(イスラム暦による行事、お祭りあり)
お 土 産  パピルス・アラバスター細工・香水・ナツメヤシなど

 

【総 論】

■ 料理

 ハトの丸焼き、エジプトのパン「エイシ」、エジプト風ファーストフード「コシャリ」、そら豆のコロッケ「ターメイヤ」、シシカバブ、羊のミートボール「コフタ」、シロップ漬けの激甘菓子など。好みは分かれるかもしれませんが、大半の日本人はおいしく食べられるでしょう。サラダなども日本のものより野菜本来の味が濃くて美味しいという話ですが、お腹をこわす可能性も高いようです。

イスラム教徒には断食(ラマダン)の義務があります。断食中は、日の出から日没まで飲み食いしてはいけないそうです、なんと水さえも…。そのためイスラム教徒の人たちは、日の出前にいっぱい食べて、日中はひたすら我慢して、日没後モリモリ食べるので、断食中は痩せるどころか逆に太ってしまう人が多いとか…。
 ちなみに私たちが旅行した時期はちょうどイスラム教の祭り『犠牲祭』の準備時期で、犠牲≠ノなる羊達がトラックにいっぱい積まれて売られていく♪ドナドナ≠フような光景が大都会カイロの街のど真ん中でも見られました。

■ 水

 エジプトは砂漠の国。中でもルクソール以南は砂漠気候で特にノドが渇きます。おまけに遺跡周辺は日陰が少なく、強い直射日光が当たりまくり。しっかり水分補給をしましょう。
 ただ、健康に自信のある人でもエジプト旅行中、水が原因でお腹を壊すことがあるようです。飲料水にはミネラルウォーターを。水道水はもちろん、ジュースの中の氷、生野菜のサラダなどは要注意!

■ トイレ

 トイレおばさん(おじさん・少年・少女)がいる時は、50PT〜1£Eのトイレチップを渡します。

■ パクシーシ

 イスラム教には、富める者が貧しい者にお金・物を与える「喜捨」という考えがあります。それが変化して、持たない者が持つ者に積極的にせびる、サービスの押し売りをして報酬を求める「パクシーシ」という習慣があります。

    

【カイロ】

■ エジプト国立博物館

 あのツタンカーメンの黄金のマスク他、古代エジプトの至宝・秘宝が盛り沢山。『MUMMY ROOM(ミイラ室)』があり、有名なラムセス2世などのミイラがここで眠っています。永遠の命を信じて眠りについたはずのファラオたち、何千年も後に自分のミイラ姿が世界中のたくさんの人の目にさらされるとは思いもしなかったでしょうね。

■ ハン・ハリーリ

 エジプト最大の市場。水パイプや金・銀・銅・しんちゅう・アラバスター細工の店、スパイス屋、エジプトの民族衣装ガラベイヤ♂ョ、喫茶店などエキゾチックなお店がいっぱい。私たち観光客が通ると「チョット見ルダケ〜」「ゼンブ1000エン〜」と声をかけられ、押し売り状態。ゆっくり見るには、少々度胸が必要かも…。値切るのは”当たり前”!値下げ交渉をするのがアラビア式の買い物です。

 

【カイロ近郊】

■ ギザの3大ピラミッド

 クフ王、カフラー王、メンカウラー王の親子三代のピラミッド。ピラミッドそのものは勿論大きいのですが、材料である一つひとつの石も本当にデッカイ!昔は上まで登れたそうですが、突風にあおられて転落死する人もいたそうで、今では登頂禁止です。残念…。

■ スフィンクス

 3大ピラミッドを守るように座っているエジプト一の有名人(!?)。顔はカフラー王がモデルだとか。かつてあったアゴヒゲは、現在、大英博物館にあり、エジプト政府が返還交渉中。鼻も、ナポレオン率いるフランス軍に銃撃訓練の的として撃ちまくられて崩れ落ちてしまいました。スフィンクスは建造後、時とともに砂に埋もれ、また時とともに姿を現してきました。完全にその姿が見られるようになったのは1926年のことで、まだ100年経っていないんだそうです。ナポレオンが対面した時も首から上だけの姿だったとか。
 夜に行われる「音と光のショー」では、ライトアップされたピラミッドをバックに古代エジプト史を語ってくれます。

■ サッカラの階段ピラミッド

 ジェセル王が造ったエジプト最古のピラミッド。階段状にしたのは、ジェセル王の見た夢の中に出てきた光の階段がヒントになったからだとか。その夢とは、階段の上で亡くなった父王が彼を手招きし、階下で民衆達が泣きながら王を引き止めていて、王は父と民どちらを選べばいいのかと階段で悩み立ち往生する、そんな夢だったそうです。
 この辺は観光客が少なくてゆっくり見学できるのですが、「全部デ1000円〜〜〜」と絵葉書やパピルスのお土産売りが寄って来るのはギザと一緒。

■ メンフィスの遺跡群

 入口近くの建物に全長15mにもなるラムセス2世の巨像が横たわっています。この像はもともと砂に埋まっていて、発見後に保存のための建物を像の上に作ったそうです。なんでも砂漠で石に座って休んでいた人が、その石が巨大な像の顔の「鼻」or「冠」の一部だと気づいて、発掘するきっかけになったそうです。
 敷地内の奥にはアラバスター製のスフィンクスがあります。小柄だけど保存状態も良くて、ギザのものよりハンサムかな!?

■ ダハシュールの屈折ピラミッドと赤のピラミッド

 「屈折ピラミッド」はピラミッドの傾斜が途中で変化していて、横から見ると三角形ではなく五角形の奇妙なフォルム。屈折ピラミッドを造ったスネフェル王は建設中、52度の傾斜角で建設中のこのピラミッドが崩壊する可能性が高いことがわかり、傾斜角を43度と緩く変更せざるを得なかったのでした。
 それが許せなかったのか、スネフェル王はより美しい形を目指し、「赤のピラミッド」を建設。外壁を赤御影石で覆ったことから、赤のピラミッドというネーミングが付いたようです。でも、夕日に染まって赤く見えるからという名の由来もあるようです。後者の方がロマンが感じられますね。

カイロからサッカラ、メンフィス、ダハシュールまでの道のりは、ナツメヤシの林や、ロバやラクダがのんびり働いてる田園風景が広がり、ゆったりとした時の流れを感じます。他にもカーペットスクールや丸い塔に穴がいっぱい開いてる鳩のマンション(鳩舎)≠ネど、エジプトならではの風景を楽しむことができます。

 

【ルクソール】

 カイロから飛行機で約一時間。かつては『テーベ』と呼ばれていた遺跡の街です。
ナイル川東岸…神殿や居住区として使われた「生者の地」。現在も多くのホテルや商店がある生活の場です。
ナイル川西岸…岩山や砂漠地帯が多く、王墓や葬祭殿が建つ、かつての「死者の地」。

<東岸>
■ カルナック神殿

 テーベの守護神と太陽神の合体したアメン・ラー神≠祀った神殿。広大な面積&デッカイ柱・像・オベリスクで、ただただ圧倒されっ放し。
 特に巨大な柱が100本以上も立ち並ぶ大列柱室は壮観。パピルスやロータス(蓮)の形をした柱一本一本に、古代文字ヒエログリフが刻まれていて、彩色が残っているものもあります。当時は天井もやはり彫刻・彩色が施されてちゃんとあったそうですよ。
 奥には大きなスカラベ(フンコロガシ)の像があって、その周りを観光客がグルグルまわっている姿が見られます。スカラベは幸福のお守り≠ニして現代まで愛されつづけているエジプトのシンボル的存在で、この像の周りを3回まわると願いが叶うのだとか…。

■ ルクソール神殿
 ここにある一本のオベリスクはパリのコンコルド広場にあるオベリスクと一対のもの。パリのは金装飾がされていてそれなりにきれいでしたが、やはりオベリスクはエジプトの抜けるような青い空の下が一番似合う。神殿内には、ラムセス2世時代のもの以外に、アレキサンダー大王が再建した間や、かつて神殿が砂に埋まっていた頃に建てられたコプト教(原始キリスト教)の礼拝所やイスラム教のモスクなどがあり、ここ一ヶ所で古代から近代までのエジプト史が垣間見られる面白さがあります。

オベリスクはファラオが神様たちに捧げたものでした。「オベリスク」とはギリシア語で「焼き串」の意味で、シシカバブの串そっくりでしょ。世界に残るオベリスクは21本。パリのコンコルド広場、イタリア、ロンドン、ニューヨーク、イスタンブールなど、18本ものオベリスクが海外に流失してしまったそうです。

<西岸>
■ メムノンの巨像

 ナイル川を渡ると最初に観光客を迎えてくれるのが、高さ約21mのアメンへテプ3世の座像です。かなり痛んでる状態で荒野にポツンと立っているので、なにか切なく感じます。「朝日が昇ると像がキーンと鳴く」と言われ、ギリシア神話で母を慕って泣いたと言われるエチオピアの王メムノン≠フ名にちなんでこう呼ばれているそうです。かつては泣き声を聞こうとローマ皇帝もはるばるやって来たとか。

■ ハトシェプスト女王葬祭殿

 切り立った断崖の下に建っていて、古代エジプト随一の建築美を誇っているのではないでしょうか。ハトシェプストは自らあごひげを付けて男性と称し、約20年間に渡りファラオの座に着いていた女性。しかし、彼女の死後、トトメス3世によってハトシェプストの肖像・名前は抹消され、その削り痕が葬祭殿の壁画に生々しく残っています。

■ 王家の谷

 ファラオの墓が約60基集まっています。内部の壁画や星の描かれた天上画の彩色がキレイに残っているのでビックリ感動。ツタンカーメンのミイラもここに眠っています。ちなみにツタンカーメンの墓内にはカメラ持込禁止なのでご注意を。
 土産物屋のエジプト人たちが「キンサ〜ン、ギンサ〜ン!」と呼びかけてきたのには目がテン。誰が教えたの(?-?;)。

私はツタンカーメンの墓でだったのですが、観光地の現地人係員が勝手にガイドしたり、立ち入り禁止の場所を見せたりした後にチップを請求してきたり、「写真を撮ってやる。カメラを渡せ」と言って撮った後にカメラを人質に結構な値段のチップを請求してくることがあるようです。親切心を疑うのは…なんて思ったりもするのですが、パクシーシ・お金目当てのサービスが横行しているのも事実。不必要なサービスはしっかりと断りましょう、遺跡の保存のためにもね。

この情報は2001年3月時点のものを基本としています。
<2004年6月更新>


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